家庭の食品ロス対策は「食べきる」の前に。夕食は作る量と翌日に回す分を先に決める

夕食のあと、鍋に少し残った煮物。捨てるのは気が引けて、片づけながら口に運んでしまう。「もったいないから食べる」は自然な気持ちですが、その一口は食事の写真にも記録にも残りません。余りは、作る前と盛り付ける前に行き先を決めておくと、「食べきる」か「捨てる」かの二択になりません。

10月は、法律で定められた「食品ロス削減月間」です。ここでは国の資料をもとに、夕食を作る前、盛り付ける前、記録するときに決めておくことを整理します。

先に決めるのは3つ作る前に、今夜家で食べる人数(一人暮らしなら今夜と翌日の食数)と、翌日の昼に回す分を作るかを決めます。盛り付ける前に、翌日の分を浅い容器へ先に取り分けます。取り分けた分はその場で食べきらず、記録に「翌日へ」と書いておきます。

家庭の食品ロスは年間約224万トン。基本は「食べきれる量を作る」

環境省の食品ロスポータルサイトでは、令和6年度に日本で出た食品ロスは約461万トン(環境省・農林水産省の推計)で、そのうち家庭からが約224万トンとされています。家庭の食品ロスは「食べ残し」「直接廃棄」「過剰除去」の3つに分けられています。消費者庁の特設サイト「めざせ!食品ロス・ゼロ」は、料理を作りすぎたりして残るものを「食べ残し」に挙げていて、夕食の余りはここにあたります。

同じ特設サイトは、家庭で食品ロスを減らす基本の1つに、料理では「食べきれる量を作る」ことを挙げています。

作った量が多すぎた日に、残りを片づけの合間に食べると、捨てるものは出なくても、その日に食べた量が自分でも分からなくなります。食べきる日を「今夜」から「翌日」へずらせば、余りは捨てずに済み、食べた量も記録に残せます。

決めること1 作る量は、今夜の人数と翌日の昼の分から決める

作る量を決める材料は、レシピの「◯人分」より、今夜の予定です。帰りが遅くて外で食べてくる家族がいる日も、いつもと同じ量を作れば、その人の分がそのまま残ります。消費者庁は、作る量を「体調や健康、家族の予定も配慮して」調整するよう書いています。作り始める前に今夜の予定を確かめるのは、この「家族の予定」にあたります。

人数

今夜、家で夕食を食べる人は何人か。外で食べてくる人、帰りが遅い人を先に確かめます。一人暮らしなら、人数の代わりに今夜と翌日で何食分を作るかを数えます。

翌日

翌日の昼に回す分を作るか。回すなら、その分も最初から数に入れて作ります。

作り置き

まとめて作るなら、先に「いつ、誰が食べるか」を決め、その数だけ容器を並べてから作り始めます。

翌日に回すと決めた分は、余りではなく、最初から予定に入れた1食です。カレーや煮物のように、少しだけ作るより多めに作るほうが手間の少ない料理もあります。その場合も作る量を無理に減らさず、「今夜の人数分」と「翌日の昼の分」に分けて作ったと考えます。翌日の昼は、主食・主菜・副菜のうち足りないものを1つ足せば形が整います。見つけ方はコンビニ昼食の記事で紹介しました。

決めること2 盛り付ける前に、翌日の分を浅い容器へ取り分ける

大皿のまま食卓に出すと、ひとりがどれだけ食べたかは皿の上に残りません。食卓に残った数切れは、片づけのときに「捨てる」か「食べる」かを、その場で決めることになります。取り分けの順番を変えると、この場面そのものが起きにくくなります。

迷いやすい順番

大皿で出して、食卓に残った分を片づけながら食べきる。どれだけ食べたかは、あとから分からない。

決めやすい順番

翌日の分を先に容器へ取り分け、残りを1人分ずつ盛る。盛った1人分が食べた量になり、余りは翌日の1食になる。

取り分けた分は、衛生面に気を配って扱います。厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」は、調理後の食品を室温に長く置かないこと、残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存すること、温め直すときは十分に加熱することを挙げています。手洗いや、怪しいと思ったら捨てることなどのほかの注意は、記事末の質問にまとめました。

環境省は、食べきれなかった食品は冷凍など傷みにくい方法で保存すること、保存した食べ残しを忘れないよう冷蔵庫の中の置き方を工夫することを勧めています。取り分けた容器は冷蔵庫の手前に置き、食べる日を「翌日の昼」のように決めておくと、奥にしまい込んで忘れることが減ります。

決めること3 記録には「翌日へ」と1行足す

消費者庁には、家庭の食品ロスを見える化する冊子「計ってみよう!家庭での食品ロス」があります。政府広報オンラインの紹介によると、捨てた日と食品、その量と理由を書き込んでいく形です。同庁の特設サイトは、実証事業で、計量するだけで食品ロスの量が約2割、計量に加えて減らす取組も行うと約4割減ったと紹介しています。減ったのは捨てた食品の量で、体重や食事の量ではありません。

食事の記録にも、同じ考え方が使えます。夕食の写真を撮ったら、取り分けた分に「翌日へ」と1行だけ書き足します。翌日の昼にその容器の分を食べたら、昼食の欄に「前日の夕食の分」と書きます。1週間続けると、作りすぎた日が何回あったか、どの料理が残りやすいかが、記録を見返すだけで分かります。記録の項目を増やしたくない方は、食事記録が続かない人向けの記事で書いた3つ(食べた時間、主食・主菜・副菜の有無、食後の満足感・空腹感)に、この1行だけを足してください。

今夜ここだけ盛り付ける前に浅い容器を1つ出して、翌日の昼の分を先に取り分けます。記録の「翌日へ」は、容器にふたをしてから書けば間に合います。

外食の日は、頼む量から決める

ここまでは家で作る日の話でした。外で食べる日は、取り分けて翌日に回すことが難しいので、先に決めるのは頼む量です。消費者庁と厚生労働省の「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」は、食品ロスを減らすには、その場で食べきることが最も重要だとしています。そのうえで、消費者には自分自身の食事の適正量を理解し、食べきれる量を注文するよう求めています。小盛りやハーフサイズを選べる店なら、それを使います。残ったときの持ち帰りの注意は記事末の質問に、頼む量を決めても食べすぎた翌日の整え方は食べすぎた翌日の記事にまとめました。

参考にした公的情報

この記事は、次の公的情報をもとに書きました。数値と記述は、2026年10月2日に各ページと資料を開いて確認した時点の内容です。

ここまでの決め方は一人でもできます。作る量や翌日の分の置き方を、記録を見ながら一緒に考えてほしいときの相談先も置いておきます。

記録を一緒に見てほしいときの相談先

AIボディコンパスでは、AIパートナーの「ポラ」が食事写真を解析して一言を添え、担当の健康管理士が伴走します。記録した食事の写真に担当者がコメントを付ける機能もあり、アプリから担当の健康管理士へ直接メッセージも送れます。サポートの内容はプランによって異なります。詳しくは公式ページをご確認ください。担当者のコメントもAIの一言も、医師の診断に代わるものではありません。

よくある質問

作りすぎたおかずを、もったいなくてつい食べてしまいます。どうしたらいいですか?
片づける前に手を洗い、残った分を清潔な器具で浅い容器に小分けして、冷蔵庫に入れます。夕食の記録に「翌日へ」と書き、翌日に食べたらその日の欄に「前日の夕食の分」と書いておけば、どの日に食べたかが記録に残ります。食べるときは十分に温め直し、少しでも怪しいと思ったら食べずに捨てます(厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」)。残った量は、次にその料理を作るときの量を決める目安にもなります。
翌日に回したおかずは、いつまでに食べればいいですか?
手作りのおかずを何日以内に食べればよいかという一律の日数は、厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」にも、環境省の食品ロスポータルサイト(消費者向け情報)にも書かれていません。食品に保存方法の表示があればそれに従い、手作りのおかずは「翌日の昼」のように食べる日を先に決めておきます。これは食べ忘れを防ぐための決め方で、その日までなら安全に食べられるという目安ではありません。厚生労働省は、時間が経ちすぎたら思い切って捨てること、温め直すときは十分に加熱すること、少しでも怪しいと思ったら食べずに捨てることを挙げています。
外食で残した料理は、持ち帰ったほうがいいですか?
消費者庁と厚生労働省の「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」は、まず食べきれる量を注文して、その場で食べきることを基本にしています。それでも残ったときの持ち帰りは、食中毒などのおそれがあることを理解したうえで、持ち帰る人の自己責任で行うことが前提です。持ち帰れるのはお店が認めた食品に限られ、容器は基本的にお店が用意したものを使い、帰宅後は速やかに食べるよう書かれています。帰宅まで時間がかかる日や気温の高い季節は、持ち帰りをやめることも含めて、お店の指示に従います。

夕食の量と記録の付け方を相談したい方へ

AIボディコンパスは、お近くの健康管理士をご紹介し、担当の専門家が伴走するサービスです。気になる方は相談フォームからご相談ください。

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